「国家」プラトン 著

現在読んでいる本です。

国家〈上〉 (岩波文庫)
国家〈上〉 (岩波文庫)

国家〈下〉 (岩波文庫 青 601-8)
国家〈下〉 (岩波文庫 青 601-8)

今ちょうど上巻の第1章を読み終えたところです。
ペイライエゥスという街へ祭りの見物にでかけたソクラテス(紀元前469年頃 - 紀元前399年4月27日、古代ギリシアの哲学者)が、
あることをきっかけにトラシュマコスという人物と「正義とはなにか」について議論を始めることになり、一応の結論(合意)が出たのだが・・・
というのがこの章の主なあらすじでした。
ソクラテスは著作を行っておらず、本書は、弟子のプラトンによってソクラテスの対話を記録するという形で執筆されたものだそうです。

以前、
ソクラテスの弁明・クリトン (岩波文庫)
ソクラテスの弁明・クリトン (岩波文庫)
を読んだときには、内容についていけずに読了しなかった記憶があったので、今回はどうかな?と不安があったのですが、
本書は日本語訳がわかりやすいおかげか、意外と読みやすいです。

また内容は、眠っていた知的好奇心がめきめきと目を覚ましそうな面白さです。
議論を闘わせる二人の攻防(ソクラテスはいたって余裕の構えですが)は、とてもスリリングで迫力があり、
どうなるのかと知りたくて急いでページをめくっている自分に驚きます。
目が覚めるようなソクラテスの鋭い考察には、ただただ驚き、感動するばかりです。

質問と答えという対話を繰り返しながら真理にせまっていくため、少しややこしく感じるところがあるので、線をひいたりメモしながら読んでいます。

ちなみに、「国家」を読んでみようと思ったのは、先日観た映画パリ20区、僕たちのクラス [DVD]がきっかけです。

パリ20区、僕たちのクラス [DVD]

ラストシーンで、担任の教師がクラスの生徒たちに、この一年間で何を学んだのか問いかけるシーンがありました。
その中である少女が『「国家」を読んだ。』と答えるのです。
それまでの流れのなかでこの一言は大きな意味があり、なんら変化していないと強がる生徒たちが実はたくましく成長を遂げているということを表し、静かな感動が高まる場面でした。
そのキーワードとなった「国家」を読んでみたくなったのです。

映画と書籍、書籍と旅、旅と出会い・・・このようなつながりや出会いは本当に面白く、素晴らしいなぁと感じます。