「パリ20区、僕たちのクラス」

パリ20区、僕たちのクラス [DVD]

監督:ローラン・カンテ
製作:キャロル・スコッタ、キャロリーヌ・ベンジョ、バルバラ・ルテリエ、シモン・アルナル
原作:フランソワ・ベゴドー「教室へ」(早川書房刊)
脚本:ローラン・カンテフランソワ・ベゴドーロバン・カンピヨ
撮影:ピエール・ミロン/編集:ロバン・カンピヨ/2008年/フランス映画/上映時間:2時間8分/原題:Entre les murs
配給:東京テアトル提供:東京テアトル/ツイン/朝日新聞社/ 後援:フランス大使館 協力:ユニフランス/日仏学院

映画ホームページよりSTORYを引用します。

パリ20区、ある中学校の教室
 始業ベルが鳴ってから、着席するまで15分間。注意されるまで、帽子は脱がない。教師のちょっとした言い間違いは嬉々として指摘する──
そんな“問題あり”の生徒たちに囲まれて、この中学校に来て4年目になる国語教師フランソワの新学年が始まった。

 24人の生徒たちは、出身国も生い立ちも将来の夢も異なる。フランソワは、自分のクラスの24人の生徒たちに、正しく美しいフランス語を
教えようとしていた。しかし、スラングに慣れた生徒たちは、反発する。国語とは生きるための言葉を学ぶこと。
それは他人とのコミュニケーションを学び、社会で生き抜く手段を身につけることでもある。

 言葉の力を教えたい教師フランソワにとって、生徒たちとの何気ない対話の一つ一つが授業であり、真剣勝負だ。
フランソワはどの生徒にも真正面に向き合おうとして、悩み、葛藤する。一方、多感な24人の生徒たちは、率直な言葉、弾けるような笑い、
抑えられない怒りでフランソワに応じる。
1年間で、さまざまな個性の子供たちが混じり合うようにして何を学ぶのだろうか。


上映当時映画館に観に行くことができず、ずっと観たいと思っていたこの作品がWOWWOWで放送されたので、録画して鑑賞しました。

観賞後の感想をひとことであらわすならば、力強くさわやかな生命力を感じた作品でした。

パリが多民族化している背景には、国家間の現状や長い歴史が複雑に関係しているのでしょう。
14歳の生徒たちは、しなやかな感性である意味大人以上に自分たちの置かれている状況を繊細に受け止めているように感じました。
個人ではどうしようもない現実に向き合いながらも、
そこで立ち止まること無くぐんぐんと伸びていかずにはいられない彼らの若い生命力が、とても魅力的に描かれていたと思います。

担任のフランソワ先生にも感情移入できました。
生徒の14歳という多感な時期を十分理解しようと努め、普段はユーモアで彼らのきわどい言動も受け流すのですが、
時々、眉間に青筋を立てて本気で怒ってしまう気持ちもわかる気がします。

脇を固める同僚の先生方や保護者の方々についても、人間性が明確に描かれていて、フランス映画っぽくてよかったです。

観てとてもよかったです☆